倒産企業分析
ユニコ・コーポレーション倒産が会社更生法を申請 06/10/25
10月25日、ユニコ・コーポレーション(総合リース業、ジャスダック上場)が東京地裁へ会社更生法の適用を申請した。
報道によると、「複数年にわたり不良債権処理等に関して不適切な会計処理が行われ、有価証券報告書の不適切な記載があったことが判明した」という。
要は「粉飾決算」があったということですね。。。
開示内容によると不適切な会計処理&不適切な記載は下記の4点。
@
01年12月期から04年12月期にわたり、ある特定の取引先に対する金銭消費貸借契約について割賦販売契約として経理処理を行なったうえ、収益及び費用の計上基準に反して繰延処理をせずに、一括して売上高及び売上原価に計上し利益を実現させたものであります。
A
05年12月期に、実態のない売上高10億円を計上し、同額の売上原価を計上したものであります。
B
01年12月期から05年12月期にわたり、不良債権の処理について、貸倒損失として経理処理すべき6億円を売上原価に計上したものであります。
C
01年12月期から05年12月期にわたり、債権分類の再検証による個別貸倒引当金の追加計上等により、営業費用及び特別損失が増加することになったものであります。
うーん、これぞまさに粉飾!。
ということで決算書におかしなところがないか分析してみました。
【焦点】
販売債権額
ユニココーポレーションの流動資産の売掛金、受取手形を合計すると総資産の約80%になります。
通常、リース業は固定資産をユーザーの代わりに購入し、金利を上乗せて固定資産の購入代金+収益分を分割請求でユーザーから回収するはずです。
保有している固定資産よりもはるかに多い販売債権をもっているということは、
@ものすごくボッたくっている、
Aものすごく効率的にリース用資産を回転させている、
B保有リース資産を短期間で多額の減価償却をしている、
C不良債権がたんまりある、
D架空計上をしている
のいずれかと思われます。
通常の企業間取引において販売債権が保有リース資産の4倍近くになるまで@A行うのはかなり難しいのではないでしょうか?
(Bは税務署が許さないでしょう。)
ちなみに他の上場リース会社の販売債権の総資産に対する割合は大体40%位でした。
それと比較するとユニココーポレーションの販売債権額はかなり多かったことになります。
回収不能になった不良債権と架空売上による債権が含まれていたということでしょう。
リース業において、ただ単に販売債権が多いというだけで粉飾の可能性があるとは判断できないとは思いますが、多くなりすぎた販売債権の内容を確認しておけば、危険を察知できたかも知れません。。。。